キャンドルライト党 ティアウ・ヴァンノル党首 来日中止のご報告

 先日来お願いしておりました、カンボジアの野党第一党、キャンドルライト党のティアウ・ヴァンノル党首の5月16日からの来日が急遽中止となりました。
 国家選挙委員会(NEC)が同党の立候補を書類の不備を理由に認めず、このままでは7月23日の総選挙に参加できない事態に至ったため、党首自身がカンボジアに残り、人民党政府との対応に専念するためです。
 ご迷惑をおかけしますことをお詫び申し上げますとともに、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
 以下がこれまでの経緯です。

●総選挙に向けた政党・候補者登録は4月24日から5月8日までで、与党・人民党やキャンドルライト党を含む20政党が届出を行った。NECが審査を行い5月11日までに人民党など13政党の参加を承認。
●他方NECは5月9日①キャンドルライト党が内務省に登録した際の証明書の原本が提出されていないことを指摘すると共に、②公民権停止中のロン・チュン副党首(首相候補)を候補者名簿から削除することを同党に求めた。
●問題は、この原本がもはや存在しないという点である。原本とはキャンドルライト党の前身であるサム・ランシー党が1998年に内務省に登録した際の証明書の原本。しかし、その原本は2017年に救国党(サム・ランシー党と人権党が合流して2012年に結党)が解党処分を受けて党本部の建物が政府によって解体された際に滅失。
 キャンドルライト党は、この原本の写しは所持しているが、原本は滅失。
●そもそも選挙の細則には、「内務省に登録した際の証明書の写し」としか規定されておらず、キャンドルライト党は昨年6月と今年5月の地方選挙の際、当該書類の写しを提出して受理され、選挙に参加していた。しかし、NECは今回急遽「行政機関による認証が必要」という解釈変更を行った。
●キャンドルライト党に対する選挙参加妨害とも言われている。

カンボジアの選挙についての分析は、この山田先生の書いた論文が最も適切なものと思います。

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