民主活動家周庭氏への不当な弾圧と指名手配に抗議し、中国政府の弾圧と主権侵害に抗議する声明文

民主活動家周庭氏への不当な弾圧と指名手配に抗議し、中国政府の弾圧と主権侵害に抗議する声明文

 2月6日、現在カナダに在住の香港の民主運動家周庭氏に対し、中国政府は2月6日、全国に指名手配することを発表しました。周庭氏は4年前、国家の安全に危害を加えたとの香港国際安全法違反の理由で逮捕され、保釈後、昨年12月、カナダに滞在していることをSNSで発信、二度と香港には戻らないことを宣言していました。周庭氏のほかにも、香港警察は民主活動家の指名手配を続け、民主化運動の徹底的な弾圧を図っています。 

 周庭氏には居住地を選択する自由があります。そして、周庭氏も参加した香港民主化運動は、1997年に香港がイギリスに変換される際、中国政府が国際公約として認めた一国二制度により、50年間は保証されていた民主主義を、中国政府が破棄し、言論、表現、結社の自由を踏みにじったことへの抗議として始まったものです。本来、国際法を違反した罪で裁かれるべきは中国政府であり、周庭氏ほか民主化運動家には何の罪もありません。

 中国政府はかって、正当な人権改善や民族自決権を求めたウイグルや南モンゴルの人々をテロリスト呼ばわりし、平和的交渉によるチベット問題の解決を求めたダライラマ法王を「人面獣心の悪魔」と誹謗しました。世界ウイグル会議現総裁のドルクン・エイサ氏は、中国の工作によりインターポールにて長く要注意人物に指定されてきました。このような中国政府の、良心的な活動家を犯罪者呼ばわりする蛮行を国際社会は認めてはなりません。

 同時に、現在中国政府は、「海外警察」と呼ばれる中国公安当局の出先機関を各国に設置し。在住者の民主化運動や民族運動への情報収集や干渉、脅迫を行うなどの主権侵害を行い、亡命した運動家たちにも圧力を加えようとしています。私たちは周庭氏をはじめ海外の民主運動家の安全が保障されるためにも、このような海外警察の存在を認めることはできません。日本政府にも早急に中国大使館、孔子学院、また各商工会などにおける中国政府の不当な主権侵害の実態を調査するとともに、適切な法制定によりこのような主権侵害を罰することで、日本国内のウイグル、チベット、南モンゴル、香港、そして中国民主活動家の人権と安全を保障することを求めます。

2023年2月9日
アジア自由民主連帯協議会
会長 ペマ・ギャルポ

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