【紹介/4議員連盟 合同声明文】『中国の「民族の団結と進歩の促進に関する法律」の施行を非難する声明』令和8年6月30日

PDF 20260630-中国新法に対する声明

令和8年6月30日
『中国の「民族の団結と進歩の促進に関する法律」の施行を非難する声明』

中国による人権侵害を究明し行動する議員連盟
日本ウイグル国会議員連盟
日本チベット国会議員連盟
南モンゴルを支援する議員連盟

中国において本年7月1日の施行が予定されている「民族の団結と進歩の促進に関する法律」(以下、「新法」)は、その施行によってウイグル、チベット、南モンゴル等の少数民族に対する経済的・社会的・文化的弾圧がこれまで以上に強まることが懸念されている。

本年4月、欧州議会は、新法を強く非難し、撤回と制裁を求める決議を採択している。同じく4月、表現の自由、教育権、文化的人権など複数分野の国連特別報告者も連名で中国政府に対し懸念を伝え声明を発している。国連人権高等弁務官も深刻な懸念を表明し同法の撤廃を求めている他、国際人権監視団体のヒューマンライツウォッチもこれまで累次にわたり新法を批判している。

こうした動きに共通するのは、新法が「中華民族」ないし「中華民族共同体意識」の名の下に各民族の自治権をこれまで以上に制限し、独自の言語や教育・伝統・宗教といった多様性を認めない動きを加速するであろうという強い懸念である。実際、以前から独自言語での教育の縮小を懸念している日本在住の各民族団体関係者からも、新法の施行は間違いなく状況をより厳しくさせることになるとの報告もある。

以前より我々はこうした中国における長年に及ぶ人権弾圧に対し懸念を抱き、令和4(2022)年には衆参両院において「深刻な人権状況について、国際社会が納得するような形で当該国政府が説明責任を果たすよう」強く求める決議を行ったが、その後、中国政府から何ら必要な説明が行われないまま、今般、新法が施行されることには強い懸念を持たざるを得ない。

また、新法は、中国国外における「域外適用」を規定するなど、他国の主権を無視するその姿勢は到底受け入れることが出来ない。仮に域外適用が実施されれば、日本国内における言論活動を理由に中国で拘束されるといった事態も想定され、そうなれば日本国内における自由な言論活動や研究活動が妨げられる恐れがある。

加えて、近年、中国による「越境弾圧」が問題視されており、日本在住のウイグル、チベット、南モンゴル等の出身者に対する威圧や監視などが確認されているが、こうした不法行為のエスカレートも懸念される。

以上の理由から、民族・人種・信仰などにかかわらず全ての人が自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有すべきであると信ずる我々は、新法に対し強い憤りと懸念を表明し、撤廃を求める。

併せて、政府に対しては令和4(2022)年の衆参両院の人権決議に基づき、中国国内における人権状況モニタリングの実施および強化・拡充ならびに国内での越境活動に対する警戒強化ならびに即応体制の整備を強く求める。

以上

(参考)

〇衆議院「新疆ウイグル等における深刻な人権状況に対する決議」R4(2022)2月1日

近年、国際社会から、新疆ウイグル、チベット、南モンゴル、香港等における、信教の自由への侵害や、強制収監をはじめとする深刻な人権状況への懸念が示されている。人権問題は、人権が普遍的価値を有し、国際社会の正当な関心事項であることから、一国の内政問題にとどまるものではない。
この事態に対し、一方的に民主主義を否定されるなど、弾圧を受けていると訴える人々からは、国際社会に支援を求める多くの声が上がっており、また、その支援を打ち出す法律を制定する国も出てくるなど、国際社会においてもこれに応えようとする動きが広がっている。そして、日米首脳会談、G7等においても、人権状況への深刻な懸念が共有されたところである。
このような状況において、人権の尊重を掲げる我が国も、日本の人権外交を導く実質的かつ強固な政治レベルの文書を採択し、確固たる立場からの建設的なコミットメントが求められている。
本院は、深刻な人権状況に象徴される力による現状の変更を国際社会に対する脅威と認識するとともに、深刻な人権状況について、国際社会が納得するような形で説明責任を果たすよう、強く求める。
政府においても、このような認識の下に、それぞれの民族等の文化・伝統・自治を尊重しつつ、自由・民主主義・法の支配といった基本的価値観を踏まえ、まず、この深刻な人権状況の全容を把握するため、事実関係に関する情報収集を行うべきである。それとともに、国際社会と連携して深刻な人権状況を監視し、救済するための包括的な施策を実施すべきである。
右決議する。

〇参議院「新疆ウイグル等における深刻な人権状況に対する決議」R4(2022)12月5日

近年、国際社会から、新疆ウイグル、チベット、南モンゴル、香港等における、信教の自由への侵害や、強制収監をはじめとする深刻な人権状況への懸念が示されている。人権問題は、人権が普遍的価値を有し、国際社会の正当な関心事項であることから、一国の内政問題にとどまるものではない。
この事態に対し、一方的に民主主義を否定されるなど、弾圧を受けていると訴える人々からは、国際社会に支援を求める多くの声が上がっており、また、その支援を打ち出す法律を制定する国も出てくるなど、国際社会においてもこれに応えようとする動きが広がっている。そして、日米首脳会談、G7、国連人権高等弁務官事務所等においても、人権状況への深刻な懸念が共有されたところである。
このような状況において、人権の尊重を掲げる我が国も、日本の人権外交を導く実質的かつ強固な政治レベルの文書を採択し、確固たる立場からの建設的なコミットメントが求められている。
本院は、深刻な人権状況に象徴される力による現状の変更を国際社会に対する脅威と認識するとともに、深刻な人権状況について、国際社会が納得するような形で当該国政府が説明責任を果たすよう、強く求める。
政府においても、このような認識の下に、それぞれの民族等の文化・伝統・自治を尊重しつつ、自由・民主主義・法の支配といった基本的価値観を踏まえ、まず、この深刻な人権状況の全容を把握するため、事実関係に関する情報収集を行うべきである。それとともに、国際社会と連携して深刻な人権状況を監視し、救済するための包括的な施策を実施すべきである。
右決議する。

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