中国政府は脱北者(北朝鮮難民)を難民として保護し、北朝鮮への強制送還を停止せよ : アジア自由民主連帯協議会 声明

 この2月、中国瀋陽など各市では数十名に及ぶ脱北者が逮捕され、中国政府は彼らを北朝鮮に強制送還する意思を示しています。

 これに対し、韓国政府、UNHCR、アムネステイ・インターナショナルなどがそれぞれの立場から、脱北者の強制送還に反対しているにもかかわらず、中国外務省は2月22日の定例会見にて「朝鮮(北朝鮮)の不法入国者は難民ではなく、単に経済的な理由で国境を越えて中国国内に入ってきた人たち」と発言しました。

 しかし、北朝鮮独裁政権の人権弾圧と誤った経済政策による飢餓を逃れて脱北してきた彼らは、北朝鮮に強制送還されれば、反逆者として、強制労働、拷問、妊婦の強制堕胎などの運命が待ち受けており最悪の場合は処刑されることもあります。特に金正恩体制への移行期、北朝鮮では、脱北者は3代にわたって処罰を受けるとされ、親族、家族にまで累が及ぶことになります。彼らは本来難民として国際機関に保護され、希望する第3国に移送されるべき存在なのです。

 中国政府は難民条約に批准しています。それなのに脱北者の北朝鮮への強制送還を継続し、UNHCRの訴えを無視することは許されません。

 私たちアジア自由民主連帯協議会は、中国政府の脱北者強制送還に抗議し、以下のことを中国政府及び日本政府に訴えます。

1、中国政府は現在拘束している脱北者の北朝鮮への強制送還を直ちに停止し、彼らを希望する第3国に移送してください。
2、中国政府はUNHCRと連携し、中国国内の脱北者を難民として保護してください
3、日本政府は中国政府に対し、人権外交の立場から、脱北者の保護を強く要請し、仮に中国政府が北朝鮮への強制送還を停止しないのならば、中国に対する経済制裁を含むあらゆる抗議の意志を示してください。

2012年2月29日
アジア自由民主連帯協議会
会長 ペマ・ギャルポ
https://freeasia2011.org/

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