「1年で僧侶ら26人が焼身自殺」-チベット自由人権委が緊急集会 : 世界日報

 中国四川省のチベット族自治州では、昨年3月から僧侶の焼身自殺が後を絶たない。チベット自由人権日本100人委員会は6日、永田町の星陵会館で「いまチベットで何が起きているか」をテーマに緊急集会を開催した。

 この中で同委員会代表幹事のペマ・ギャルポ桐蔭横浜大学・大学院教授は、この1年間で26人の僧侶らが、中国の度重なる宗教弾圧に抗議し自らの命を絶ったことを明らかにした。焼身自殺した僧侶には、尼僧や若い僧侶も含まれている。

 とりわけ1月以降、僧侶らの焼身自殺は急増しており、抗議活動は激しくなるばかりだという。

 またペマ教授は、先月末に中国の民族工作部副部長が、「今後、チベット、ウイグル自治という言葉を削除する。今までは、北京政府が発行しているパスポートには民族を書く欄があったが、今後は要らない。それがあると民族統合の邪魔だ」と述べたことを明らかにした上で、今のまま放置すると既成事実化されて中華同化政策が仕上げの段階を迎えることになると警告した。

 さらにチベット人活動家のロサン・イシ氏は、自分自身の命を犠牲にした菩薩的精神に基づく焼身自殺の背景を説明し、チベット人から身体的自由、思想・表現の自由が奪われており、チベット仏教の僧侶や尼僧が強制結婚させられたり、僧院にいることにもさまざまな規制があり信教の自由が著しく侵されている実態を告発した。

 本来、同集会は衆議院議員会館で院内集会として開催される予定だったが、中国大使館から露骨な圧力がかかり、急遽(きゅうきょ)、近くの星陵会館に会場を移した。これに対し日本ウイグル協会のイリハム・マハムティ代表は「ウイグルがチベットのようになるのに10年もかからなかった。国会までこうした状況だと、日本がチベットやウイグルと同じ運命をたどる懸念がある」と語った。

 チベット自由人権日本100人委員会は、チベット民族蜂起記念日である3月10日を前に今回の緊急集会を決定した。1959年のこの日、チベットの首都ラサで中国共産党政府の抑圧に反発して民衆暴動が勃発した経緯がある。


「1年で僧侶ら26人が焼身自殺」-チベット自由人権委が緊急集会 : 世界日報
http://www.worldtimes.co.jp/today/kokunai/120307-5.html

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