中華人民共和国 国家主席 胡錦濤殿
駐日本大使 程永華殿
SFT Japan(Student for a Free Tibet Japan)
代表Tsering Dorjee(ツェリン・ドルジェ)
チベット民族蜂起から53年を迎え、中国当局に
チベット弾圧の即時停止と問題の根本解決を求める
2008年3月に、ウ・ツァン、カム、アムドのチベット全土で広がった非暴力の抗議活動が武力で踏みにじられ、たくさんの血が流れ多くの命が奪われてからまもなく4年が経ちます。この4年、否、この1年、否この1カ月、中国政府によるチベット弾圧は強まる一方です。これまで私たちがチベットの歴史で最大の悲劇と考えてきた1959年3月10日から53年が経つ現在、チベットはふたたび最悪の恐怖と悲しみに閉じ込められているのです。
昨年3月16日、アムドのンガバで僧侶が自らの身体に火を放ち、命をかけて正義を訴え、チベットでの2人目の犠牲となりました。焼身して抗議の声を上げる悲劇はこれにとどまらず、3月5日までの1年に満たない期間に伝わった悲劇は26人に上ります。僧侶、化身ラマ、学生、母親——多くが10代20代の若い人たちです。チベット人はみな、悲報が届くたび、心をえぐられるような悲しみに突き落とされています。それに対して中国政府は、軍隊と武装警察で寺院を封鎖し、住民を銃口で脅し、犠牲者の親族や友人に「故意殺人罪」の罪をかぶせて投獄し、さらなる弾圧を加えました。それだけにとどまらず、中国政府は「本人に問題があって自殺した」と故人の名誉を汚し、「ダライがそそのかした」とありえない嘘をつき、犠牲者を二重におとしめているのです。
身を犠牲にしたチベット人の訴えは、「チベットに自由を」「ダライ・ラマ法王のご帰還を」というものです。「チベットに生まれたチベット人として、チベット人らしく生きたい」という、人間としてごくあたりまえの願いです。
人として生きる権利は、生まれた国や地域によって異なるものではありません。中国政府は直ちにチベットにおける政策を転換し、自らの公民であるチベット人に基本的人権を保障するべきです。同時に、チベット政府と対話を再開し、ダライ・ラマ法王の帰還を含むチベット問題の根本的解決に向けて速やかに行動するべきです。
Students for a Free Tibet Japanは、中国共産党政府に対し、以下の事項について直ちに実行するよう求めます。駐日本大使におかれては、中国当局に向けられている国際的世論を党中央に正確に伝えるよう要請いたします。
記
1.チベット仏教寺院から軍隊と武装警察をただちに撤退させ、僧侶が仏教を研鑽する、あるべき環境に戻すこと。
2.焼身をはかった後連れ去られ、居場所も容態も生死さえも明らかにされていない者について、ただちに状況を公表し、人道的な処遇をすること。
3.インドでのチベット仏教法要に参加した、高齢者がほとんどの人たちに対して強要している数カ月間の思想教育をただちにやめ、連れ去られた人たちを自宅に帰すこと。
4.チベット固有の文化を尊重し、チベット語で教育を受ける権利を保障すること。
5.チベットでの中立な国際メディアの取材を認め、国際機関の実態調査を受け入れること。
6.中国共産党側が一方的に打ち切ったままであるチベット政府との対話を再開し、中華人民共和国憲法に合致したチベットの「自治」とダライ・ラマ法王のチベット帰還を実現すること。
チベット民族蜂起から53年を迎え、中国当局にチベット弾圧の即時停止と問題の根本解決を求める : Students for a Free Tibet Japan
http://www.sftjapan.org/nihongo:m10appeal2012