中国政府への緊急要請
☆北朝鮮難民=脱北者を保護し、中国滞在を認めるか、希望する国へ行かせてください。
☆脱北者を、迫害を受ける北朝鮮には決して送還しないでください。
報道によると、中国政府は最近だけでも100人近い脱北者を拘束し、順次北朝鮮に強制送還している。
過去10年以上にわたって、中国政府は脱北者を保護することなく、厳しい迫害が待ち受ける北朝鮮に強制送還してきた。特に2008年の北京オリンピック前には、いっせいに脱北者を拘束して10万人もの規模で北朝鮮に強制送還した。さらに、日本領事館や韓国領事館が人道的に保護した脱北者の日本や韓国への出国を中国政府が認めず妨害した。このため、保護された脱北者は2・3年もの間領事館内に留まるしかなく、精神的に大きな苦痛を強いられた。
あろうことか、中国公安は、拘束した脱北者を「スパイ」に仕立て、他の脱北者の居場所を通報させて報酬を与えることまで行っているという。(聨合ニュース2012年2月24日、産経新聞25日)中国政府がこのような恥ずべき行為を直ちに止めることを強く求める。
北朝鮮に送還された脱北者は、ひどい拷問を受けて心身を傷つけられ、政治犯とみなされれば強制収容所へ送られる。そうでなくても、労働鍛錬隊か教化所に送られ、生きて出られない人も少なくない。
その上、金正恩後継後は脱北者への弾圧が強化されて、処刑される危険が一段と高まっている。
国連人権理事会のダルスマン特別報告官(北朝鮮担当)は3月12日、「北朝鮮は昨年、脱北者に対する射殺命令を下すほど、国境の統制を強化した。北朝鮮の周辺国は、脱北者を難民と見なし、保護しなければならない」と語っている。また、英国代表部も「脱北者に射殺命令が下されている実態には憂慮を表明する。彼らは保護を受けなければならない」と述べている。米下院では、中国による脱北者の強制送還を糾弾する決議案が準備されているという。
韓国の李明博大統領も脱北者を北朝鮮に送還しないよう求めている。
中国政府は、このような世界の声、とりわけ金正恩政権の被害者である脱北者自身の命の叫びを受け止め、虐げられてきた人々に救援の手を伸べる政策に転換することを、強く求める。
中国政府は十数年にわたって脱北者を「保護対象となる人道上の被害者」と認めず「単なる不法入国者」とみなす態度を続けてきたが、これは脱北者の実情を無視するものであり、世界の理解からかけ離れたものである。少なくとも、一人ひとりの脱北者について、北京の国連難民高等弁務官事務所が面接調査に関わること、そして、その意見を尊重することを、最小限の義務とするよう中国政府に要請する。
2013年3月14日
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 関西支部
連絡先Fax 072-990-2887
上記は、14日、守る会関西支部が中国大使館近辺にて中国政府に対する抗議行動を行い、その際配布したビラに掲載した声明文です。守る会だけではなく在関西の脱北者達の団体、脱北者人権連合の方々も参加しました。詳しくはカルメギなどに譲りますが、中国の姿勢を変えさせない限り脱北者が救われることはなく、また逆に、脱北者が中国にさえ逃れれば保護され希望される国に行くことが出来さえすれば、北朝鮮を巡る様々な問題は大きくよい方に前進するはずです。
それに対しこのような記事もあります。
脱北者:国連事務総長「水面下の静かな外交が効果的」
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が、中国による脱北者の強制送還問題について、水面下の「静かな外交」がより効果的だという見解を表明した。潘事務総長は今月14日、米国ニューヨークの国連本部で特派員たちと面会し「脱北者のようなデリケートな問題は、必要に応じ、水面下での静かな外交を通じて解決することが、時として効果的だ」と語った。
潘事務総長はまた、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)や国連人権理事会(UNHCR)などを通じ、関係国に対し、脱北者問題が難民関連の国際法と合致する方向で処理されることを望むという意向を強い姿勢で伝えたとし「私なりに懸念を表明し、協力を求めた」と述べた。その上で「関係国」が中国を指すものかどうかについては「私から具体的に話すことはない。どこなのかよくお分かりだと思う」として、中国側に懸念を表明し、協力を要請したことを示唆した。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/16/2012031600546.html
もちろんこの事務総長の発言は一理あります。しかし、これまでずっと救援団体も日韓両政府も、「水面下での静かな外交」をやってきたつもりなのです。目の前の一人一人の脱北者を具体的に助けるためにはそれもよい。しかし、そのやり方では、脱北者全体を助けることはできないし、こうして捕まった人々を見捨てることしかできないのです。今回、韓国の議員や政府が国連などでかなり強く現状を訴えたからこそ、この脱北者問題を顕在化できたのですから、国連はこの機会に強く中国に迫ってください。そうでなければ国連の存在意義すら問われます。難民条約を無視しUNHCRの活動を妨害する中国が国連安保理事会の参加国であり続けるとはいかがなものかと。(三浦)
守る会関西支部、中国政府への緊急声明発表&国連事務総長、いまさらながら「静かな外交で解決」 : 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会
http://hrnk.trycomp.net/news.php?eid=00787